■こだわり!

   
   

私は現役時分(まぁ大した戦績はありませんが(笑))、バックハンドに拘りました。

自身がネットプレイが好きだったこともあって、生粋のボレーヤーだったステファン・エドバーグ(SWE)のプレイスタイルに引かれました。特に、彼のバックハンド(ストロークもボレーも)に魅せられ、バックハンドを打ちたいがあまり、フォア側へ来たボールも回り込んでバックハンドで返球し、ネットへ突っ込んで行くという、今の時代からすると、あり得ないような強化練習に日々勤しんでいました。

その結果、バックハンドやネットプレイにおいては、周りから一目置かれる存在にはなりましたが、薄いグリップ(コンチネンタルとイースタンの中間くらい)で握っていたフォアハンドストロークに関しては、私を特徴づける欠点となってしまい、私の事を知る対戦相手からは、最初からフォア狙いをされてしまう程でした。

フォアハンドと違い、バックハンドは、終始頼れるモノではありません。両手打ち(ダブルハンド)が世界の主流となっているとは言え、打点の幅が制限されているバックハンドは、フォアハンドのような自由さがありません。最終的には、強打の連続ができずにスライスのお世話になってしまいます。

ネットプレイを身上としているとは言え、いつでもすぐにネットで勝負できるわけではありません。当然、ベースラインストロークで打ち合う時間が必ず必要になります。その時に、頼れるストロークがバックハンドストロークとなると、主導権が中々取れずに後手に回るシーンが増え、最終的にはスライスを交えて耐え忍ぶ時間帯が大部分を占めるようになって行きます。

特に、片手打ちバックハンドが主流の昔(20年前くらい?)は、スライスの切り合いになることも少なくありませんでした。
ただ、スライスは、チェンジオブペースとして有効で、現代テニスにおいても必須のショットですが、使う回数が増えていくと、ボールだけでなく「自分の心も」切ってしまい、ドライブ系のショットを打つのが怖くなってしまいます。

自分自身がこのような状況の中で、四苦八苦しながらの試合を繰り返していたので、自分の子ども達には「フォアハンドで苦しむ」というような事をさせたくないとの思いから、徹底してフォアハンドを鍛えることを目標としました。

自分のフォアハンドの悪い点は、よく理解していたので、それらを徹底して排除し、また、現代テニスのフォアハンドの形を色々と勉強して、子ども達に教え込みました。バックハンドにこだわっていた自分が、今度は、子ども達のフォアハンドにこだわったワケです。

そう言いながらも、実は、バックハンドにも、ある程度こだわっていたのですが・・・(笑) 2人の子ども達のうち、女の子である次女の方は非力であるため、バックハンドは、最近の流行に乗っ取ってダブルハンドを教えましたが、一番の下の長男坊には、ダブルハンドは教えず、シングルハンド(片手打ち)を教えました。

「シングルバックハンド(片手打ち)」は、「ダブルバックハンド(両手打ち)」よりも習得が難しく時間を要します。それでも、シングルハンドの道を選んだのには2つの理由がありました。

1つは、徹底して「フォアハンドを強化したい!」という思いでした。

ダブルハンドにするとフォアハンドを強化できないというワケではありませんが、普通のそれよりも「より尖(とん)がったモノにしたい!」という思いから、バックハンドを使わせないように封印しました。バックハンドを弱点として抱えることで、フォアハンド中心のテニスを形成しようと考えたわけです。

そうは言っても、バックハンドを全く使わないワケにはいかないので、ネットプレイに繋げられるように、まずは、スライスの習得に努めました。

あれ??、何かさっきの話(スライスは心も切っちゃう)とリンクしてなくない?と思われるかも知れませんが、基本、バックハンドは使わないようにフォアハンドで徹底して回り込みを行うようにするわけです。デュースサイドのサイドライン際は、右利きなら当然フォアハンドで処理しますが、その後のアドバンテージコート側のサイドライン際に飛んできたボールもフォアハンドで処理をするように頑張ります。

まぁ、そこまで極端な処理ができなくとも、バックハンド側の守備範囲を狭めることで、相手にプレッシャーをかけて行きます。

バックハンドはスライスのみで、後はフォアハンドにすべてをかける!という極端な方向性に、周りに人たちは「バックはスライスだけじゃだめだよ!」「両手が方が絶対に良いよね!」「バックを弱点と言ってるようなもの!」「狙い撃ちされたらどうするの?」などと言いたい放題でした。

まぁ、言いたいことは確かに分かりますが、みんな何か勘違いをしています。

小学生の年代で、狭められたバックサイドエリアを狙い撃つなんてコントロールを持っている子が何人いるでしょう? それに、強打を誇るフォアハンドを身に付けた子から、バックサイドを狙い撃ちにするなんて、そんな芸当がどれだけできるのでしょう?

・・ですから、うちの長男坊が負ける試合は、そのほとんどが、相手に粘られてアンフォースドエラーで自爆するというパターンでした。接戦してタイブレークまでもつれ込んでも、攻めるプレイヤーは、そのスタイルの特性から所々で自爆が顔を出します。その結果、悔しい悔しい敗戦となるわけです。

年齢が低い間(小学生~中学生1年あたり)は、リスクを冒して攻めなくても、安全域にボールを繋いで相手の自爆を誘う方が、より簡単に勝てます。
それを前面に出して、「相手に打たせれば勝てるよ!」と、子ども達に守らせるコーチや親たちがいますが、この「勘違い守り」が通じるのは、沖縄県内のある程度のレベルまでです。県内であっても、トップクラスの子たちを相手にするとなると、こんな「勘違い守り」は全く通用しません。

ー「勘違い守り」-
無難にボールを返し続けるテニス。コースも狙わず、コート中央付近に、ループ気味のボールを返球し続け、相手に攻めさせることで、ミスを誘う。レベルが低い間は、コースを狙い打つ事自体が難しく、数回の間にアウトミスを起こしてしまうので、ざっくりとコート中央に返球する方が安全と思っているが、レベルが上がってきた相手と対戦すると、左右に動かされ続けるので、最終的にはラリーに付いて来れなくなってしまう。
このような「自分の運命を相手に委ねてしまうテニス」では、想像以上に早い段階で行き詰ってしまうことに気が付いていない。

でも、よく「守りのテニス」というキーワードも聞くよね?? と仰られる方もいると思います。事実、その通りで、「守りの主体のテニス」という戦法はあります。

-「守りのテニス」と「攻めのテニス」-
「守りのテニス」と聞くと、消極的なイメージが先行すると思いますが、実際のところ、そうではありません。
「守る」=「攻められないようにする」なのです。
じゃあ、どうすれば「攻められないようにする」ことが出来るのでしょうか?
基本、攻められないようにする=「浅いボールを打たない」ですが、センター付近に単調に返球し続けるだけでは、結局は、左右に振られてギブアップになってしまいますので、そうさせられないように、ボールのスピードよりもコントロール最優先でボールを打ちながら、サイドライン際に行きすぎないように、ラインから1m以上内側を狙ってボールを打ち、相手が落ち着いてボールを打って来れないように配球を考えます。
・・・でも、よく考えると、これって、積極的に攻めているのと大差ないですよね。
「攻める」場合は、より、ボールのスピードを上げたり、ポジションを上げて早いタイミングで積極的にボールを打って行くなどして、相手を追い込んで行きます。
「守る」場合は、「攻める」時ほどリスクを負わずに、相手を追い込めなくとも、攻め込めないようにするわけですが、積極的にボールを配球するという点では一緒です。
先に書いた「勘違い守り」は、言い換えると「守り」ではなくて、単なる「逃げ」に過ぎません。

もう1つのこだわりは、「オールラウンダー」へのこだわりです。

ともすれば、最近のジュニアは、ベースラインプレイが中心で、ネットプレイをほとんどしません。レベルが上がるほど、ネットプレイを取り込んでいかなければなりませんが、レベルが上がってから、それを取り組んでも遅いわけです。また、幼少のころは、体が小さいので、ネットへ出ていっても、左右上ともにスペースだらけで、あっさりとパッシングの餌食になりますので、中々ベースラインを離れようとしません。

ネットプレイヤーとして育って欲しかったわけではありませんが、ベースラインプレイもネットプレイもしっかりとこなせるプレイヤーにはなって欲しかったので、薄いグリップでのプレイに馴染むきっかけとして、バックハンドのスライスを習得して欲しかったのです。

果たして、、その計画は、想像以上の副産物を生んで成功しました。

面白いことに、フォアの強打を誇るプレイヤーとして成長しながらも、ドロップショット大好きっ子としても成長して行きました(笑)これは、本当に意外でしたね。

逆にダブルハンドの流行に乗ってテニスをしていた次女は、案の定、バックハンドのスライスすら習得に四苦八苦でした。サービスは、薄いグリップでしっかりと打てるのですが、スライスが上手く打てません。その影響で、やはり、ボレーがいまいち!。。全くできないというわけではないのですが、常に自信なさげにプレイしてました。
終盤、スライスも覚えようとしていましたが、スライスは、基本片手打ちになるために上手く力を入れられなくて、カスカスなショットとなってしまい、それなら、ダブルハンドでフラットドライブを打った方が良いよね!って感じでした。

最近では、プロ選手の中でも、片手打ちのプレイヤーの登場が目立つようになってきて、シングルバックハンドも打ち方が進歩して来ています。昔の私たちが打っていたバックハンドとは、形が全くと言って良いほど違います。

あるクラブでは、老若男女すべてに片手打ちしか教えないというクラブもあると聞きました。もの凄いこだわりですよね。

でも、上達のために「こだわり」は、欠かせないものだと思います。
皆さんも、何かにこだわってみると、すごい成長ができるかも知れませんよ~

最後に、ページトップの写真は、初めて全日本ジュニアに出た時の1回戦の試合です。どうにか初勝利を手にすることが出来ましたが、この時の対戦相手の応援の子たちが、うちの長男坊を「あの片手バック!」と称していてたのがとても印象的でした。それだけ、同世代の周りの子たちにも片手打ちの子が少なかったんでしょうね。

長文、駄文、最後までお読みくださってありがとうございました。

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