今日のお話はラケットの重さについてです。
『ラケットは重たい方が良い』という話を聞かれたことがあると思います。
昔から神話のように語られている話ですが、、ラケット性能が大幅に進歩している現代においても、変わらないコトなのでしょうか?
昔の(と言っても十数年前くらいで)ラケットは、反発力も乏しく、重量も重たくてボールを飛ばせませんでしたし、回転をかけるコトも難しいものでした。
この話には、もう1つ重要な要因があります。
それは「ストリング」です。
ストリングの性能は、ボールの飛びや回転(スピン)に直結していますので、ラケットとストリングは切っても切れない間柄で、同時に調整をする必要があります。
そして、ラケットの性能進化と同じように「ストリングの性能も大幅に進歩している」というコトです。
現在のラケットは、昔々のラケットの様に反発力に乏しいワケではありません。
逆に、打球感や反発力などは、比較にならない程向上し、軽くても打ち負けないラケットとなっています。
最近、YONEXさんのVCORE PRO 97を購入したというお話を書きました。
その中でも書きましたが、重量:310g/バランス:310mmのGモデルにするか?、重量;290g/バランス:325mmのLGモデルにするか?考えました。
悩んだ結果、バックハンドの高い打点や振られた時の小手先打ち等の観点から、軽量なLGモデルを選んだのですが、これが本当に大正解でした。
軽いのですが、若干トップヘビーバランスが助けてくれるので、ジュニアの強打にも打ち負けませんし、少し振り遅れたかな?と思うようなシーンでも、最後まで降り抜けるので、想像以上に良いボールを返球してくれます。
ボレーも同様で、軽いという事が手伝ってくれて、速いボールにも面を合わせ易いですし、打ち負けません。
もちろん、スイートスポットを外してしまえば、そりゃあ、ちゃんと飛んでくれませんが、それは、重たくても軽くても同じコトで、そう大差は無いです。
重たいラケットを支持する人の最たる意見は「打ち負けないから」ですが、そのラケットをちゃんと振れなければ「打ち負ける」のは必至です。
それよりも、軽量が故の取り回しのし易さ!これが、スイートスポットを外す確率を減らしてくれる事が重要です。
そして、もう1つ、外してはイケないモノがあります。
それは、スイングパワーのピークポイント(スイングの中で一番ボールに力を与えられる打点)です。
スイートスポットにちゃんと当たっても、パワーのピークポイントからズレていると、ボールは思ったように飛びませんし、打ち負けてしまいます。
これが一番厄介な点で、、じゃあ「軽くてトップヘビーバランスなら何でもOK!」とはなりません。
軽過ぎると「振り過ぎ」を招いてしまい、それをスイングの力加減で調整しようとすると、これまたピークポイントを上手く作れなくなってしまいます。
やはり、体格や技量に合った重さやバランスが必要になって来ます。
(VCORE PROにも、もう少し軽めの100平方インチのLGモデルがありますが、(私にとって)280gは軽すぎ、面の大きさも少し小さめが好みという点から、97平方インチLGモデルにした次第です)
実は、このピークポイントに大きく関わってくるのが、ストリングとそのテンションです。
パワーやコントロールにおいては、ピークポイントで、打ちたい方向に向かって、どれだけボールを押せるかどうか?というコトが重要になってきます。
(使うプレイヤーにとって)硬めのセッティングになっていると、ボールを掴まえる(ホールドする)時間が短くなってしまうので、ボールに力を伝えきる前に離れてしまう事で方向がズレたり、回転のかかりが悪くなって飛びすぎたりしてしまいます。
逆に、柔らかめのセッティングになっていると、ボールを掴まえる(ホールド)する時間が長くなってしまうので、ボールに力を伝えたつもりでも、まだ面にくっついていたりする事で方向がズレたり、回転のかかり過ぎで短いボールになってしまったりと、これまた正反対の問題が発生してしまいます。
ラケット性能の問題に加えて、ストリングやその張り方が打球結果に大きな影響を与えてしまうので、これらのセッティングをどうやってプレイヤーに合わせて行くのか?は意外に難しい問題なのです。
自分の事を正しく理解できている上級プレイヤーでなければ、自分にあったセッティングを導き出すことは、簡単な事ではありません。
1人で悩んでいないで、コーチが居ればコーチに、居なければストリンガーに、まずは相談してみる事をお勧めします。
ヽ(^。^)
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